2012
2012.08.25
男同士の仕事場。
僕は、八王子にある妻の実家を東京事務所として、仕事の拠点にしている。
少し前までは年老いた猫が一匹いたけれど、それも去年死んでしまい、
今は義父と義母が二人だけで暮らしている。
母は元教師で今は活動家のため、ほとんど家に居ない。
僕が仕事を終え、一杯飲んで遅くに帰ってきてもまだ帰っていないことも少なくない。
それとは反対に、歌人の父はほとんどの時間を家で過ごす。
朝おきて、味噌汁と何か一品 を作り、必ず食後にりんごを剥いてとヨーグルトと一緒に食べる。
その後、じっくりと新聞に目を通したあとで、散歩に出掛けてゆく。
帰ってきてからは本を読んだり、何かを書いたりしている。
ほとんど毎日その繰り返しだ。
いつも遅く起きる僕が下の階に下りてゆくと、既に母は出掛けた後で、父が一人窓辺で新聞をめくっている。
「おはようございます」、僕が挨拶しても特に返事は返ってこない。
「あれ?、無視?」ちょっと不安になる。
だけど次の瞬間、新聞に目を向けたまま「味噌汁できてるよ」っとボソリとつぶやくのだ。
僕はこの一言を聞くとすごくホッとする。
そしてこんな風にして男同士の一日は始まっていく。
http://tonami-s.com/gallery/gifu/index.html
上のアドレスから、義父を撮った作品が一部見られます。良ければご覧下さい。
2012.03.02
お泊まり
少し前のこと。
仕事から戻ると、近所に住むmちゃんが食卓を囲んでいる。
日中遊びに来ていたmちゃんが急遽、そのままうちに泊まることになったようだ。
どったんばったん!わーわー!、ぎゃははー!きゃーきゃー!えーんえーん!!
泣いたり笑ったり二人はもう大騒ぎ!
こっちが何を言ってもお構いなし、もう諦めて放っておくことに。
(このときほど一軒家を借りといて、良かったと思ったことはなかった!)
………。
あれっ?声がしなくなっ た?
不思議に思いのぞいてみると、ついさっきまでの大騒ぎが嘘のように、
二人はすでにぐっすり眠っていたのだ。
ほこりっぽい部屋の中には二人の寝息だけがいつまでも響いていた。
そんでまた、朝から大騒ぎだったのはいうまでもない…。
2012.01.25
二人のタクミ
今年の秋に縁あり東京で写真の展示をすることになった。
それも偶然、同時期に二つ。
それぞれ、知り合いのアーティストとコラボさせてもらうことに。
その相方が二人とも「匠」(タクミ)という名前。
しかもふたりのタクミくん同士は、同じ中高の同級生で友人同士。
(二人は僕の妻の高校時代の先輩にあたり、僕は数年前に知りあった)
先日、それぞれのタクミくんに展示の方向性を話し合うために会いに行ってきた。
一方は言葉少なく、直感的に物事を捉える。
一方は巧みに言葉を使い、論理的に物事を捉える。
(あくまで会って感じた僕の勝手な主観)
どちらも創作意欲と個性にあふれていて、僕にとってはとても刺激的な時間だった。
展示にむけての道筋も少し見えはじめてきた。
これから二人の「匠」くんと、秋まで共有してゆく時間を楽しみたい。
※2枚目 加茂匠くん(の手)、美術教師の傍ら絵や写真を通した創作活動を続けている。
※3枚目 星匠くん、木作家として工房DESIGN STUDIO COZOを構え、オリジナル家具の製作、デザイン、修理、店舗等のデザイン、内装なども幅広く手がけている。http://co-zo.com/
※4枚目 DESIGN STUDIO COZOにて。