


2011.04.01
2011.3.11 18:29
2011.3.31
朝、妻がおなかが痛いと言う。
ついに今日くるか?
二人目を妊娠中の妻のおなかは、赤ちゃんがもういつ生まれてきてもおかしくなかった。
期待して病院に来たものの思ったほど陣痛は強くない。
助産師さんが「帰る?、入院する?もし入院して生まれなかったら、お金掛かっちゃうよー」
そんなことを笑いながら話していると、「いたーーい!!」
妻が急に叫び声を上げた。
和やかに話していた助産師さんの顔つきもすでに変わっていた。
助産師さん:「ここで(検査室)産んじゃうか…、イヤやっぱ分娩台いこっ、もうちょっと我慢して!」
妻:「むりむり、ムリーっ!おさえてー!」
助産師さん妻を無視:「だんなさん!持ち上げてっ!!」
3人がかりで妻を車いすに乗せたかと思うと、
分娩室へ勢いよくいすを走らせた。
「ほら、だんなさん(分娩台に)のせるよ!手伝って!せーのっ」
早い…。
妻の変容ぶりもだが、それを上回る助産師さんの対応の早さ、さすが!!
今まで見たこともない鋭い目つきでうめく妻に、冷静に声をかけ続ける助産師さん。
それから数分…、「よーし、でてきたぁー!」
助産師さんがへその緒が付いた赤ちゃんをそのまま、妻の胸元におく。
さっきまで、けもののようだった妻の表情はみるみるうちに緩んでゆく。
そして、分娩室を拍手とあかちゃんの泣き声が包んでいった。
ふと気がつくと、カメラをのぞいていた僕の目は涙でいっぱいだった。
必死に命を産み落とした妻と、冷静にそれを取り上げてくれた助産師さんごくろうさま。